もともと渓流ルアーフィッシングでは、コントロールもつきやすく、遠投することができるスピニングリールを愛用していた。
投げる度にベイルを返す手間があるものの、サミング(フェザーリング)をきちんと行えばほとんどバックラッシュすることはないし、極めて扱いやすいので、正直ベイトリールという選択肢は頭にはなかった。実際、これひとつあれば、十分渓流ルアーは楽しめるから。
しかし、昨今におけるベイトフィネスブームと俺鱒メンバーが使用しているのを見て、徐々に使ってみたいという欲望がマシマシな気持ちとなり、2022年遅ればせながらベイトフィネスデビューを果たすことに。
ちなみに、過去にはバスフィッシングを長らくやっていたこともあり、ベイトリールの扱いには慣れているつもり。
ただ軽いルアーを投げることはなかったので、そこだけはやや不安があったのも正直なところ。
そんな中、最新のフィネス仕様のベイトリールを購入し、いざベイトフィネスデビュー!果たして従来のバスのときのように同じように使いこなせるのか…。
![](https://oremasu-fishing.com/wp-content/uploads/2022/06/ore_article_03_02.jpg)
リール選択
渓流ルアーフィッシングフリークのベイト使いの達人の中では、古いアブ アンバサダーや五十鈴のファンが多いが…
- できればノーマル寄りのハイギアリールを使いたい
- 右巻きが苦手なため、左巻き限定(アンバサダーでは中古市場でも見かけない)
- 最新のリールを使いたい
ということもあって、この辺りは除外することに(その前に手に入れることすら難しい)。
ここ数年シマノ派ということもあって、ベイトフィネスリールを選択するにあたっては、現在販売されているシマノの製品の中から選ぶこととなった。
現在のメインロッドであるウィックマン+翡翠(ヒトトキワークス)が自分の中では結構高い買い物だったこともあり、どうせ合わせるならあえて良いモノにしようと料金縛り(笑)。
![カルコンBFS](https://oremasu-fishing.com/wp-content/uploads/2022/06/ore_article_03_03.jpg)
最終的に、アルデバラン BFSとカルカッタコンクエスト BFSの2択となったが、渓流には丸型リールがやはり似合うというミーハーな考えもあり、カルコンBFSの方を購入することに。
カルカッタコンクエスト BFS
外観
![カルカッタコンクエスト BFSの外観](https://oremasu-fishing.com/wp-content/uploads/2022/06/ore_article_03_04.jpg)
こちらは2017年に発売された、今ではやや古い時期のリールとなるが、そこはカルコンBFS、古めかしい感じもなく、いやむしろ最先端のモノに劣らないデザインのリールとなっている。
何より驚いたのは、その外観に色気を纏っているということ。軽量化のための肉抜き穴も良いアクセントになっており、とても艶かしく感じられる。ガンメタリックのカラーリングもひときわ重厚感があり、ひと目で高級、高品質であるということがわかるところも所有欲を満たしてくれる。
機能面
機能面を見てみると、重力は軽量化が加速している現代のリールとは異なり、普通に重い(笑)。これは丸型リールの宿命だから致し方ないといったところか。
しかし、私が所有しているロッド自体がそこそこ重量のあるタイプ(ブランク×グリップ)ということもあって、逆にこの重さがバランサーの働きをしてくれ、ロッドの持ち重りを軽減してくれている。
よって必ずしも重いリールだから悪とはなっていないと言うことができると思っている。
バックラッシュに関していうと、正直きちんと使いこなせばあまりしないリールだと感じている。ブレーキも細かくセッティングできるし、効きもいいので、その辺は使用者次第かもしれない。ただし、マン振りならぬマン投げ?をすると、ほぼバックラしてしまうので、あくまで平常心で投げるよう努めている。意外にこれが大事かも。
ちなみに、ルアーの重量にもよるが、4~5gのミノーを投げる場合…
- ネオジムマグネット→フルセットの方が安定感が増すように感じるため、ここは一切いじらない設定(購入時と同じ状態)
- マグネットブレーキ→50%の位置。ルアーにもよりますが、60%を越すと飛距離が出ない気がしているため、基本が真ん中に。
- メカニカルブレーキ→これが1番キモで、スプールのガタつきがなくなる程度に締めている。クラッチを切って、ロッドを軽く振ったら、ズルズルって落ちるくらいの設定であればOKかと。あとはきちんとサミングができれば、ほぼバックラッシュはしないと思われる。
ちなみに、1.5gほどの管釣り用のスプーンも投げてみたが、飛距離は出ないものの普通に投げることができ、バックラもしなかった。
バスフィッシングをやっていた頃を考えるとあり得ないほどの軽量ルアーだが、これも難なく投げられるところをみると、ベイトフィネス専用機は伊達じゃないと改めて痛感した。
なお、糸の量を多くするとスプールが重くなり、バックラッシュしやすくなるため、50m以内にとどめるのがベターと思っている。ここは注意が必要。
※参考:PE 0.6号 50m+ナイロンリーダー 1.5号を使用
![PE 0.6号 50m+ナイロンリーダー 1.5号](https://oremasu-fishing.com/wp-content/uploads/2022/06/ore_article_03_07.jpg)
ドラグ性能に関していうとこちらは高級リールだけあって、極めて優秀と思われる。きちんとセッティングをすれば、魚の引きに合わせて少しずつ滑り出してくれ、ドラグが一気に出ていくようなシチュエーションでも簡単に調整できるので、その辺りはとても助かっている。
ドラグ機能が悪いリールの場合、細かいセッティングが出来ず、バラしの原因になったりすることが多々あるが、こちらのカルコンBFSであればそのような心配も激減しそう。
また、こちらのカルコンBFS、実は結構良いドラグ音を奏でてくれるのもウリ。ベイトリールでドラグ音を楽しむということはあまり経験したことがなかったが、こちらはカリカリと良い音を鳴らしてくれるので、何気に魚がかかったときにテンションを上げてくれる(笑)。これも実は嬉しい機能のひとつと言えるかもしれない。
まとめ
いきなりですが、デザインが良い作品などに使われる有名な言葉がある。
『形態は機能に従う』 Form Follows Function
![](https://oremasu-fishing.com/wp-content/uploads/2022/06/ore_article_03_06.jpg)
これは、デザインにおける美しさは機能に従属するという意味の言葉で、フェラーリなどは事例として引用されることが多いので見たことがある人も多いのではないであろうか。
釣り道具ではあまり聞くことがないが、個人的には、カルカッタコンクエスト BFSもまさにこの言葉がフィットするような製品ではないかと思っている。
…と偉そうに書いた割にまだまだ使いこなしているとは言えないが、今後もこの高機能で美しいリールと自然の贈り物である美しい渓魚を、釣りを通じて末長く一緒に愛でていきたいなと思ったのだった。