美しい渓魚の魅せ方
渓流ルアーフィッシングを嗜んでいる人に、この釣りのどこに魅力を感じているかと問えば、ほとんどの人が魚の美しさに魅了されたというのではないだろうか。
実際、ヤマメ、アマゴ、イワナ、ニジマスといったターゲットたちは、個体毎に微妙に異なる紋様を持っていて、そのどれもが個性的で美しい。
そして、我々釣り人に毎回新しい発見を与えてくれる存在でもある。
もちろん、私自身も常日頃からそのように感じており、一期一会ではないがそのときに釣れてくれた魚をじっくりと眺め、魚を愛でるのがひとつの楽しみとなっている。
そんな中、実は密かに思っていることがある。
それはただ川の中にいる魚よりも、美しいランディングネットに入った魚は、そのままの姿よりもさらに美しく見えるということ。
言い換えれば、ランディングネットを使えば、さらに魚を美しく見せてくれることができると考えている(賛否両論あるとは思いますが)。
実際に釣った魚を石で囲って作った簡易プールに入れて撮った写真と、ランディングネットに入れて撮った魚を比べてみると、(もちろん個人的見解となってしまうが)後者の方が断然美しく、写真映えするなって思っている。
その理由は、自然の一部でもある銘木が川と魚と馴染み、一体化することが要因かと思っているが、同じように考えている人もきっといるのではないでだろうか。
また、ネットに魚が入ることによって、魚の持つ流線形の滑らかさや迫力がさらに際立つことも要因かなとも考えている。
mouwoodランディングネット
そんな魚をさらに美しく彩ってくれるランディングネットは世の中にあまた出ていますが、私が愛用しているのは「mouwood(ムーウッド)」製のモノ。
そもそものきっかけは、渓流ルアーフィッシングを始めるにあたり、雑誌やサイトで情報収集していたとところ、魚と負けないくらい艶かしいランディングネットに魅了されたことに始まる。
中でも、ダントツで私の心に響いたものがmouwoodのモノだった。見る者を惹きつける銘木を使用していて、綺麗な流線形を持ち、なおかつコスパにも優れていたmouwoodのランディングネットはネットで見た瞬間から惚れ込むほど。
ちなみに、購入検討時は多くのランディングネットをプロショップで見たり、触ったりもしたが、私の琴線に触れるモノはなかった。
買うと決めてからはすぐにmouwoodのビルダー長浜さんとコンタクトを取り、やりとりを開始。そこで私の理想とする形、木材、ネットのカラーを伝えたところ、それに見合った銘木を探してくれ、理想通りに作ってくれることに。
およそ3ヶ月後に完成品が届いたが、あまりにも美しく、求めていたモノと寸分違わぬクオリティだったこともあって、まだ魚さえ入れていないのにかなり感激したことを覚えている。
その後、中流域に住むオイカワなどの小さい魚を入れる用にとオイカワネットを、まだ魚は入れられていませんが大型魚用にサクラマスネットを購入、現在に至っている。
道具にこだわりたい人へ
足場も悪く、熊に襲われる危険と隣り合わせの渓流ルアーフィッシング。
もちろん、そうした困難の先にいる美しい貴重な1匹の存在が背中を押してくれるのは間違いないが、苦難があるにもかかわらず果敢にチャレンジする人たちは、自分も含めて極度のこだわり派であるに違いない。
実際、私の知り得る限り、この趣味を持つ人たちはロッド、リール、ルアーはもちろんのこと、ウェーダー、バッグに至るまで、道具に所有欲を求めている人が圧倒的に多く、そして、道具を大切にしている人が圧倒的に多い。
逆に言うと、ハマる人は道具にも釣りにも本気となり、ハマらない人はそもそも道具にさえこだわりを見せない。渓流ルアーフィッシングはそんな両極端な釣りである気がしている。
この釣りのベテランの人は既にこだわりの道具を持っているはずなので、私がいうのも釈迦に説法になってしまうが、もしこれから渓流ルアーフィッシングを始めようと思っている人、もしくはハマり始めていて道具も徐々にステップアップしようと検討している人はぜひ納得のゆくまで道具選びをして欲しいと思っている。
そして、魚を釣った後、写真撮影を行う人は、見た目も形もカッコいいランディングネットを探して選ぶことを祈っている。
何故なら一生に一度の魚が釣れたのに、イケていないランディングネットを使っていたら、一生後悔することになるから(私自身がそうだった)。
幸いにも私自身はこの点に関して、mouwoodのユーザーということでクリアしているが、ただ一生モノの魚を掛けることができないという…腕が道具に追いついていないということが目下のところの課題となっている(苦笑)。